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コラム

​国家検定資格.1級眼鏡作製技能士について

眼鏡作製技能士の問題点

2022年11月16日より日本で初めての眼鏡の国家資格「眼鏡作製技能士」が成立されました。

前進資格である認定眼鏡士時代から、何十年も国家資格化に向けて協会は動いてきましたが、事あるごとに眼科医会の妨害を喰らい、認定資格のままで今日に至っていたわけです。

 

今回の急速な国家資格化(正確には国家検定)の成立背景を読み解くと、かなり複雑な政治的事情と眼科医会の圧力に対する折衷案が絡んでいるようです。

これらの政治的事情や眼科医会の御機嫌を損なわないような案を出したことによって、眼鏡作製技能士が成立したのだろうと思います。

「是が非でも眼鏡士を国家資格に」という、悲願ともいえる制度成立でしたが、成立背景に眼鏡作製技能士は眼科医よりも専門性を低くし、従来的な検査行為に関して屈折検査の結果「近視」「遠視」「乱視」「斜位」などの判断をするのは医行為であるから禁止として、医師以外はこれらの文言を使用すると医師法17条に違反すると通達してきたわけです。

(診断と状態像は同じ文言でも意味合いは明確に違うと考えていますが・・・)

これらは、屈折検査に従事している眼鏡店だけでなく、視能訓練士・眼科検査員・看護師の方も医師ではありませんから、屈折検査の結果を対象者様に伝える際に「近視です」と言うと医師法違反ですよ・・・という無茶苦茶な通達です。

遠くが見えにくいんですが何でしょうか?と聞かれた際に、

「はい。無限遠前方から入射される平行光線が網膜よりも前方で結像されているから見えにくいのです」

という説明をしろという事でしょうか?

思わず「近視ですね」等とウッカリ言ってしまえば、医師法違反で検挙・逮捕されてしまうかもしれませんね。

そうなると全国の警察署に逮捕者が溢れかえるような事態になるでしょう。

本来的には米国の国家資格オプトメトリストを目指した資格制度を作るという動きだったものが、利権のど真ん中にいる眼科医会の圧力に負けてしまったというのが実際の経緯だと思われます。

 

その結果、今後起こってくることは、認定眼鏡士時代よりも甘く設定された試験において、粗製乱造される眼鏡作製技能士の大量出現が起こってきます。

視機能系の試験は前述した眼科医会の通達で試験問題として出題されなくなるでしょうし、メインは光学的・工業的・力学的な試験問題になります。

要は工業系国家資格に近いものが眼鏡作製技能士という解釈が出来ます。

視覚にアプローチする職責は重いものであるにもかかわらず、視覚の深い部分に関しては知らなくて良い、ただ製品として処方箋通りに眼鏡を作っておけばよいんだとするのは業界の衰退や破綻を招く恐れがあると感じます。

また、もう一つの問題点として、ロクな臨床経験も技術も知識もないのに資格試験に受験できる制度にあります。

眼鏡学校を卒業しないと受験できないシステムにすれば良かったものの、まったく眼鏡学を学んでいなくても、数年の実務経験で所属店の印鑑があれば受験できてしまうシステムです。

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