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感覚領域の評価・感覚プロファイル※3歳〜82歳を対象
感覚の問題を具体的に把握し、見え方はもちろん自分の生きやすさをデザインしていく
「両眼視機能検査」「視覚認知検査」「感覚プロファイル」のアセスメントバッテリー

感覚とは、視覚・聴覚・前庭覚・触覚・複合感覚・口腔覚の事を指します。

感覚は個人の主観的なものであり、人それぞれ感覚刺激の受け取り方は様々です。

そのために、感覚の偏りがある人の困難さは、他の人からは理解されにくいものです。

しかしながら、この感覚処理は行動や情動反応に大きな影響を与えるため、これらを包括的に把握することは重要な要素です。


極端に眩しがる、人や物が溢れている場所が苦手、実際の視力は低いのに見えにくさを訴えない、車に酔いやすい等、これらは、もしかすると感覚の過敏さや低反応(鈍麻)が原因かもしれません。


感覚に偏りがある場合、感覚の刺激量が分からないままに眼鏡を装用させることは耐えがたい苦痛を感じることがあったり、十分な効果や感覚刺激を感じれないままに過ごしてしまう可能性があります。


これらの感覚に寄り添うために、当店では眼の状態を精密解析するだけでなく、感覚刺激への生体反応を客観的にプロファイリングするアセスメントを用います。

今まで「どうしようもない」と思われていた感覚の問題を、本人や家族、支援者が具体的に把握できるという点で、感覚プロファイルは非常に有用な情報を提供できます。

 

自身や対象者の感覚を把握することは、生活・学習・子育てにも役立ちますし、青年期以降の生活適応を考える上でも、とても重要な情報です。

4 つのタイプの感覚処理
「低登録」,「感覚探究」「感覚過敏」「感覚回避」

感覚過敏

低登録(神経学的閾値が高い・行動反応は受動的)

低登録とは感覚刺激に対する反応や定位が起こりにくい状態とされています(鈍麻・過鈍)。

このスコアの偏りが見られる場合、視覚・聴覚・嗅覚・触覚・味覚などの五感が鈍く、生体への反応が遅くなるタイプです。

神経学的閾値が高く、感覚刺激が入力されても感覚を感じにくい気質・体質を持ち、刺激に対する反応が無かったり弱かったりします。

低登録のスコアが高い場合、見え方においては提示する刺激が弱い場合には対象を捉えにくかったり、見えにさも気づきにくい場合があると言えます。

生活場面では相手の声が聞き取りづらく、聞き返すことが多かったり、怪我をしても痛みに気づきにくかったり、身体や身につけているものが汚れていても気づかない、無頓着なように見られたり。
また、目の前にあるはずの探し物や案内標識を見落としやすい等もあります。
このような場合、他者からはボンヤリしていると捉えられがちですが、これらを把握して感覚刺激への反応の弱さが見られている感覚の閾値を満たし、環境におけるきっかけに気づいて反応できる機会が多くなるよう、感覚情報をより多く取り入れるようにする必要があります。
見え方においても学童期のお子さんには提示する物のコントラストを高めたり、重要な情報を与える前に注意喚起を行い、重要な情報がわかりやすくなるように環境刺激とのコントラストをはっきりさせることも重要です。

 

また、神経学的閾値が高いことを考慮して、見えにくさに気づきにくいことや、合ってない眼鏡でも「問題ない」と言っている可能性も考慮する必要があります。

感覚探求

感覚探求(神経学的閾値が高い・行動反応は能動的)

感覚探究とは自己の覚醒を保つために、特定の感覚刺激を過剰に入力しようとする行動とされています。このスコアの偏りが見られる場合、感覚を求める行動が多く見られるため、そわそわしたり、歩かず走り回ったり、大きな音を鳴らしたり等の行動が見られます。

また、特定の刺激を過剰に入力しようとすることから、授業中や仕事中に身体をソワソワしたり、周囲から見ると集中力や注意力が散漫なように見られることがあります。
これらは、日常生活の中で閾値を満たすように普段の生活に感覚入力が入る活動を多く取り入れることが有効です。
支援ストラテジーは感覚探求行動を完全に止めるのではなく、感覚刺激が入る活動を日常生活のスケジュールに組み込むことで(センソリーダイエット)、不適応的な感覚探求行動を、より適応的な代替行動に置き換え、社会生活を過ごしやすくするものです。

例えば、学校で授業中にうろうろしてしまう子どもに、授業が始まる前(後より先に入力)にトランポリンで跳ぶ時間を設定したり、しっかり感覚入力をすることです。

 

感覚探求は見え方とは関連が無さそうに見えますが、これらの感覚特性を理解した状態で検査・作製を行うことは、対象者の本来持っている困り感を顕在化させることに繋がります。

視覚過敏・聴覚過敏

感覚過敏(神経学的閾値が低い・行動反応は受動的)

感覚回避(神経学的閾値が低い・行動反応は能動的)

感覚過敏と感覚回避に共通するものとして、どちらも「不快」な状態があるという事です。

感覚過敏も回避も神経学的閾値が低いため、他者にとっては普通の刺激であっても、過敏・回避のスコアが高い人は、少ない刺激でも生体反応は大きく出て苦痛を伴います。
 

感覚過敏が苦痛に晒される状態と考えた場合、感覚回避は嫌いな刺激に対して過剰な拒否反応や回避行動をを起こす状態です。

(例えば、嫌いな刺激のもとになっているものを壊したり、叩いたりなどの攻撃性)

これらは感覚刺激に対して過剰反応を起こす状態です。

これらのスコアの偏りが見られる場合、いちばんやってはいけない対応は「多かれ少なかれそんなもの。慣れましょう」という対応です。

対象者の感覚処理を評価しない眼科やメガネ店が殆どであることから、感覚を蔑ろにした対応が非常に多く見られます。

鈍麻を馴化、過敏を鋭敏化と分けて考えると理解しやすく、鋭敏なのに慣れを強要する無理解はそれに対抗するような自己防衛を引き起こすことがあります(不登校・引きこもり・他者に対する攻撃性)

よく、根拠もないのに徐々に慣れますよ・・・という、儀式的でおまじないの様な言葉がありますが、一人一人の感覚特性を理解していれば対応は変わってきて当たり前です。

しかしながら、根拠のない十把一絡げ的な声掛け(区別することなく同じ扱いにすること)を行うことは、感覚特性を持つ人にとって「何が分かるんだ!!!」という拒絶反応を引き起こしたり、気付きを促されないままに身体に良くない眼鏡を掛けさせられる人も出てきます。

これらの過敏・回避がある場合には、検査室の構造化も重要ですし、検査アプローチも馴染みのない感覚入力は十分に注意する必要があります。
また、視覚過敏に対する支援ストラテジーはオーダーメイドで色を調整したカラーグラスが有効ですが、ただカラーを入れるだけでは不十分であり、カラーありきという訳でもありません。

もっと大事なのはどの軽減グッズが有効なのかを評価するための検査の構造化です。

例えば、過敏・回避がある人にとっては、店内の環境なども非常に重要な要素です。

多人数が出入りするような環境の店や場所は苦痛でしかない状況だと言えます。

 

また、視覚以外に過敏な感覚がある場合、それらを軽減することで視覚過敏も軽減するケースもあります。

根拠のない十把一絡げ的な補正理論の押しつけは「技法も無いけど作法も無い」ということです。

感覚プロファイル

「両眼視機能検査」「視覚認知検査」「感覚プロファイル」のアセスメントバッテリー

生活や学校において「視機能」は重要な役割を担っています。

しかしながら、視機能だけをスペシャルに見ることが全てではありません。

対象者様の感覚刺激への反応傾向を4つの象限(低登録・感覚探求・感覚過敏・感覚回避)
でとらえていくアプローチは、感覚の問題に困っている様々なお子さんや大人の方々へ前向きな視点が提供できます。

今まで「どうしようもない」「多かれ少なかれそんなもの」と思われていた感覚の問題を、お子さんや家族が具体的に把握できるという点で非常に有効です。
当方では視機能・視知覚だけでなく感覚処理を把握して、より良い見え方と感覚処理に応じた支援ストラテジーを提供する上で「両眼視機能検査」「視覚認知検査」「感覚プロファイル」のアセスメントバッテリーを実施しています。

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